公益財団法人 橘秋子記念財団では、日本のバレエ教育の向上とバレエ芸術の振興・普及を目指します。

第38回 橘秋子賞受賞者

橘秋子賞特別賞 名前 安達 悦子(東京シティ・バレエ団)
授賞理由 東京シティ・バレエ団は、ティアラこうとうと提携、地元に密着した独自の活動を行ってきた。その基礎を築いた石井清子を継ぎ、芸術監督として、自らのキャリアを生かしてウヴェ・ショルツなど海外の優れた振付者の作品を積極的に導入、国際性を強め、注目されるカンパニーとしての地位を高めた。
橘秋子賞優秀賞 名前 小野 絢子 (新国立劇場バレエ団)
授賞理由 プティ振付の「こうもり」、ダレル振付の「ホフマン物語」をはじめ、「白鳥の湖」「ライモンダ」「くるみ割り人形」などで、それぞれの見どころを際立たせる優れた踊りを見せ、トップに立つ者の存在感を示した。その年間の成果に対して。
受賞者プロフィール
安達 悦子 (アダチ・エツコ) Etsuko Adachi
松山バレエ団にて、松山樹子、森下洋子、清水哲太郎に師事。
1979年、慶応義塾大学在学中、第1回アメリカ・ジャクソン国際バレエコンクールで銅メダルを受賞。同年、文化庁芸術家在外研修員として2年間モナコに留学し、マリカ・ベゾブラゾヴァ、アレックス・ウルスリャックの指導を受け、ペルー・バレエフェスティバルに出演。 1982年、日本バレエ協会「眠れる森の美女」オーロラ姫に抜擢される。 1984年イヴリン・ハート、ジャン・シャルル・ジルらと韓国ユニバーサル・バレエ団にゲスト出演。イヴリンの招きでロイヤルウィニペグバレエ団にて研修。 1986年、 東京シティ・バレエ団にプリンシパルとして迎えられ、有馬五郎、石田種生、石井清子のもと、「ジゼル」「白鳥の湖」「コッペリア」「シンデレラ」「くるみ割り人形」「エスメラルダ」「真夏の夜の夢」「カルメン」などに主演する。 2007年、日生劇場音楽ドラマ「チャイコフスキー」にフォンメック婦人で出演するほか、古典から創作まで様々な舞台にゲスト出演し、横井茂、佐多達枝、石井潤、深沢和子、朱里みさをなどの作品を踊る。 2008年、文化庁特別研修員としてベルリン国立バレエ団に派遣され、ベルリンを拠点にヨーロッパ各地で研鑽を積む。 2009年4月より、東京シティ・バレエ団代表理事および芸術監督に就任。Ballet for Everyone (バレエの楽しさと豊かさを、すべての人と分かち合う)をビジョンに掲げ、江東区との芸術提携を軸に多彩なバレエ団活動に努め、近年では、「音楽的なバレエ団でありたい」という考えから、「ベートーヴェン 交響曲第7番」(ウヴェ・ショルツ振付)の日本初演、「L’heure bleue」(イリ・ブベニチェク振付)の日本初演を実現させ、好評を博した。また、NHK放送「ローザンヌ国際バレエコンクール」解説者のほか、「TANZOLYMP」(ベルリン)や、「Korea International Ballet Competition」(韓国) など国内外のバレエコンクールの審査員も多数務め、献身的なバレエ教育を行っている。 現在、洗足学園音楽大学教授、東京藝術大学音楽部、東京音楽大学講師。
【振付】
オペラ:日生劇場 鈴木敬介演出「オルフェオとエウリディーチェ」「ヘンゼルとグレーテル」、新国立劇場「ナブッコ」、大野和士プロデュース「パリの喜び」
【受賞歴】
1979年 第1回アメリカ・ジャクソン国際バレエコンクールシニア部門銅メダル
1979年 音楽新聞新人賞。
2004年 第30回橘秋子優秀賞 
小野 絢子 (オノ・アヤコ)  Ono Ayako  新国立劇場バレエ団プリンシパル
東京都出身。小林紀子、パトリック・アルモン、牧阿佐美に師事。小林紀子バレエアカデミー、新国立劇場バレエ研修所(第3期修了生)を経て、2007年新国立劇場バレエ団ソリストとして入団。主な受賞歴にアデリン・ジェニー国際バレエコンクール金賞などがある。入団直後に、ビントレー『アラジン』の主役に抜擢され成功を収めた。2011年プリンシパルに昇格。『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠れる森の美女』『ドン・キホーテ』、アシュトン『シンデレラ』、マクミラン『ロメオとジュリエット』『マノン』、ビントレー『アラジン』『パゴダの王子』『シルヴィア』『カルミナ・ブラーナ』、フォーキン『火の鳥』など、入団後ほとんどの作品で主役をつとめている。また、2013年と2014年に英国バーミンガム・ロイヤルバレエで客演し、国際的にも高い評価を得た。今後は、5月『ドン・キホーテ』、6月『アラジン』で主演予定。
2010年スワン新人賞。平成22年度(第61回)芸術選奨文部科学大臣新人賞。第42回舞踊批評家協会新人賞。第30回服部智恵子賞。